Sanyu(サニュ) ~ウガンダで手作りレザークラフトを創る~

青年海外協力隊員がウガンダのシングルマザーを雇用し、レザー商品を開発する様子を綴ります。Sanyu(サニュ)とは現地語で「Happy」を意味します。

ウガンダ人に「時間厳守」は通用しない!?

基本的に、ウガンダ人は時間を守りません。

 

たとえば、「村でミーティングをしたい。12時に集会所に人集めてくれる?」と村長さんに頼んだとします。

 

当日12時。80%以上の確率で集会所に広がる景色はこんな感じ。

 

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残念ながら、牛さんは出席者ではありません。

 

しかし、ここで落胆してはいけません。

そもそも、彼らに「時間厳守」という考えはゼロに等しいからです。

 

それは、彼らの生活パターンを見ていればわかること。

朝 日が出てきたら起きて農作業

昼 おなかが空いたらごはんを食べてお昼寝 

夜 日が沈んだらおやすみなさい

大体こんな感じ。

1時間単位であれしよう、これしようではないのです。

 

その結果、何が起こるか。

 

時計が必要じゃなくなる。

 

だから、時間厳守できなくて当然なのです。

 

「協力隊に必要な資質」としてよく出てくるのが「異文化に適応する能力」。

これ、たぶん能力なんて大層なものじゃなくて、

要するに「まぁそこまでせっかちになりなさんな、自分」というセルフコントロールの部分かなという気がします。

 

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大体、無事に村人みんな集まるのは、約束の1時間後くらい。

30分待たされるくらいなら「お!今回は上出来」って思うほど。

12時に開始したいなら、「11時開始!」とアナウンスしておいた方が確実かも。

村で、多くの数を集めての会議ならこんな感じです。

 

でも、今の自分の活動ではこうはいかない。

なんてったって、スタッフ(名前はナジュマ)は1人。

そして、生産スケジュールもあるわけです。だから、遅刻が常態化したら困る!

 

ということで、長い時間をかけて指導をしました。

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指導といってもやることはシンプル。

 

「8時から9時までの出勤時間に遅刻したら働かせない」

そして

「交通費も出さない」

最後に

「子供が風邪ひいたとか、急な休みの時には事前に電話すること」

 

これだけです。

 

ナジュマは自分の家から10km離れた村に住んでいます。

だから、往復の移動は乗り合いタクシーを使ってもOKという約束にしていて、

その分の交通費も払うと。

じゃないと、10kmなんて距離を歩いたら1時間半くらいかかります。

それを毎日往復は大変すぎる。

 

でも遅刻したら、交通費は払わないよと。

そしてさらに、働くこともできないよと。

 

これは、ナジュマにしたらダブルパンチです。

大変な思いをして出勤したら、なんかボス(私)がやたら怒ってる。

そして、「帰れ!今日は働けないから!」。

さらに、「交通費も出さないからな!」。

 

ナジュマ「ちーん。。。。。。(とぼとぼ帰る)」 

 

あるときは、子供の病気になって働けなくなったと。

これも、朝電話さえしてくれればオッケーです。

なのに、うんともすんともない。

こうなると、次の日に彼女に待っているのは・・・

「帰れ!今日は働けないから!」と「交通費も出さないからな!」。

 

ナジュマ「ちーん。。。。。。(とぼとぼ帰る)」 

 

 もうこうなると、時間通りに来ます。

働きに来たのに、交通費は自腹、往復の時間も無駄ということですからね。

 

というか、時間通りというより、むしろかなり早く前に来ます。笑

 

今日なんて、8時から出勤可能のはずが、来たのはなんと7時!!

 

「こっちは20分前に起きたばっかりですけど!まだ朝めし食ってますけど!」ってなります。

 

ちなみに例外が1つだけ。

 

それは「雨」。

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こればっかりは本当にどうしようもなくて。

ウガンダの雨は1時間程度の短時間にどばっと降ります。

 

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そうなると、村の道はもうダメです。

アスファルトではなく砂利道なので、ドロドロ。。

とても歩けたものではない。

 

そんな状況で「時間厳守」を強要するのはお門違いというところ。

だから、「雨」の時だけは9時以降の出勤もオッケーということにしています。

 

でも、(雨の例外は除いて)彼女はもう時間を守ります。
 
「ウガンダ人に時間厳守は無理なのでしょうか?」
 
僕の答えはノーです。
 
「時間をかければできるようになる」
 
そう思っています。
 
でも、忘れてはいけないのが「時間厳守が絶対的に正解ではない」ということかなと思っています。
今の僕の活動では、時間を守ってもらうべき人間が1人だけだし、
守ってもらわないとこっちも困るという事情があります。
 
でも、村に入り込んで、たくさんの村人を巻き込んで行う活動の場合はどうか。
たとえば「時間通りに村人が集まらないから帰る!!」という姿勢で常にいたら、うまくいくものもうまくいかなくなるかもしれません。
 
「あの日本人は、いつも怒ってる。少し会議に遅れただけなのに。もう、あんな奴と話すのはいやだな」って思われる可能性はありますよね。
 
だから、まずは「ウガンダ人の生活リズムを理解する」ということも非常に大切。
そうして彼らのことをリスペクトして、信頼関係を築けたら、時間厳守のお願いをしても良いのかなと思います。
 
日本ほど時間に厳しい国はきっとなかなかなくて、
ウガンダのようなのんびりとした国にいると、その厳しさがむしろ窮屈なんじゃないかなと思ってしまうほど。
 
そんなに、時間に追われて何をするの?
 
「日本の常識は世界の非常識では!?」という意識も持ちながら活動したほうが、
充実した活動になるのかもしれません。